居抜きオフィス vs セットアップオフィス! スタートアップに人気の理由と選ぶべきポイントとは

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コロナがひと段落したことで、リモートワーク一辺倒から、ハイブリッドワークや週5日出社に戻した企業が増えてきました。出社人数が増えたことで、既存オフィスが手狭になったと感じる方も多いのではないでしょうか。ただ、スタートアップや中小企業においては「オフィスにそんなに予算をかけられない」といったところも多いのが実情。そこでおすすめなのが、「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」です。今回の記事では、両オフィスを比較した上で、スタートアップに人気のワケと選ぶポイントを解説しています。
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居抜きオフィスとセットアップオフィスの違いとは
「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」は簡単に言うと、内装や什器をそのまま引き継げるオフィスのことです。ただ、前テナントが設置したものをそのまま使用できる「居抜きオフィス」に比べ、「セットアップオフィス」は、貸主自らがオフィス環境を新たに構築したオフィスのため、それぞれ特徴が異なります。まずは、簡単な比較表を作りましたので、確認してみてください。
居抜きオフィスとセットアップオフィスの比較表
比較項目 | セットアップオフィス | 居抜きオフィス |
---|---|---|
内装の自由度 | △(ビルオーナー側で作った内装のため手をいれられる範囲が限定的) | ◎(自由にカスタマイズ可能) |
引っ越しまでのスピード | ◎(基本的にはすぐに利用可能) | △(内装を変更する場合は設計~工事に時間がかかる) |
初期費用 | ◎(既にデザインが施されているため、内装工事が不要で通常のオフィス移転に比べて安い) | △(前テナントの内装を引き継ぐため、通常のオフィス移転費用に比べて安い) |
設備の新しさ | ◎(新品や比較的新しい設備が整備済み) | △(既存のものを活用)→劣化して使えない場合もある |
デザイン性 | ◎(ハイグレードなデザインが多い) | △(前テナントの施したデザインに影響される) |
機能性 | ◎(機能性と利便性に優れたレイアウトが考慮されている) | △(前テナントの内装次第のため機能性・汎用性が制限されることもある) |
家具の準備 | ○(会議室は家具付きが多いが、執務室の家具は準備が必要) | △(前テナントが家具を撤去した場合は新たに用意が必要) |
初期の手間 | ◎(内装が整備済みのため、電話やネット環境構築程度に抑えられる) | △(内装工事をする場合には準備が必要) |
長期的な費用 | △(内装費が月々の家賃に上乗せされるため、長期でのコストが割高になりやすい) | ◎(内装費が月々の家賃に上乗せされないため、長期でのコストは割安) |
退去コスト | ◎(原状回復費用は発生するものの、会議室など内装を解体する必要がなく、退去費用が抑えられる傾向にある) | △(原状回復費用が発生する場合が多い。居抜き仕様により条件が変わる) |
居抜きオフィスとは?
ここで、改めて「居抜きオフィス」について説明します。
「居抜きオフィス」とは、前テナントが使用していた内装・レイアウト・オフィス家具を引き継げるオフィスのことです。内装工事の実施や新しく設備を整える必要がないため、移転に関わる費用・時間のコストが削減できるなどの特徴があります。
居抜きオフィスのメリット
次に、「居抜きオフィス」のメリットを見ていきましょう。
移転費用を削減できる
通常の賃貸オフィスに入居する場合は、前入居者が退去時に原状回復工事を行っている影響で、何もないまっさらな事務所仕様の状態で貸し出されます。そのため、壁紙や床の張り替え、会議室・パーテーション設置のための内装工事が必要になります。
その点、「居抜きオフィス」では原状回復工事が行われておらず、前テナントの内装を流用することで移転費用を削減することができるのです。
オフィス家具をそのまま利用できることも
前テナントが使用したオフィス家具を引き継げるケースもあり、その場合はよりコストを抑えスムーズに業務を開始することができるでしょう。
セットアップオフィスとは?

次に、「居抜きオフィス」と似て非なるものである、「セットアップオフィス」について説明します。
「セットアップオフィス」と「居抜きオフィス」の最大の違いは、貸主が負担して内装工事を行っているかどうかです。「セットアップオフィス」では、プロのデザイナーに内装の設計を依頼していることが多く、最新のオフィストレンドを意識したレイアウト設計、什器の設置により、オシャレで使い勝手の良いオフィス環境が用意されているなどの特徴があります。
セットアップオフィスのメリット
次に、「セットアップオフィス」のメリットについても深堀りしてみましょう。
居抜きオフィスと同様のメリット
「セットアップオフィス」はすでに貸主が内装工事を行っているため、「居抜きオフィス」と同様に、移転費用を削減でき、オフィス家具やレイアウトもそのまま使用できます。「居抜きオフィス」にあるものは前テナントが使用していた中古の什器が多い一方で、「セットアップオフィス」は、最新の内装かつオシャレな什器が使用できるという違いがあります。
退去時の費用を削減できる
「居抜きオフィス」で退去する場合、居抜き物件として借り手が見つかれば、原状回復義務は次の借主に引き継げます。ただ、もし借り手が見つからない場合は、原状回復工事をしなければなりません。
一方、「セットアップオフィス」に関しては、貸主が負担して内装工事を実施しているため、原状回復工事の義務は限定的です。退去時には、床や壁紙などの表層仕上げの修繕やクリーニングのみで済むことが多く、会議室の間仕切り解体や大規模な修繕が必要な一般的なオフィスに比べて、原状回復費用は安く抑えられることが期待できます。そのため、物件によっては退去時のコストを大幅に節約できるでしょう。
移転期間が短く、スピーディに移転できる
通常、内装工事を行うオフィス移転の場合は、プロジェクトチームの発足からレイアウト設計、内装業者への見積もり、発注、工事着工という流れが生じ、施工・引越しの完了までに数ヶ月ほどかかってしまいます。
しかし、「セットアップオフィス」では、内装・什器が用意されているため、移転までの期間を短縮でき、移転後もすぐに業務を開始することができます。
その他オフィスの選択肢
ここまで「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」について紹介してきました。オフィス形態はほかにも数多くありますので、ほかの選択肢も解説します。
通常のオフィス
通常のオフィスとは、一般的に前テナントが退去後に原状回復工事を行っている物件を指します。この場合、借り手は内装工事を行い、自社のニーズに合わせて一からレイアウトを設計する必要があります。たとえば、オフィスの間取りを変更したり、会議室を設けたりするための間仕切りを設置することが求められます。また、デスクや椅子などの什器も新たに用意する必要があり、デザインや機能性を考慮しながら選ぶことが求められます。
このように、通常のオフィスは自由度が高い一方で、移転にかかる期間や費用が高くなる傾向があります。内装工事や什器の購入にかかるコストが大きいため、計画的に移転を進めないと、余計な出費が発生することが多いです。
レンタルオフィス
レンタルオフィスは、業務を行うための最低限の設備がある貸事務所のことです。一人用の個室から数十人が収容できるタイプまでさまざまな規模のものがあります。ただ、会議室やラウンジがない場合が多く、あっても他の企業との共有になるため注意が必要です。法人登記が可能なレンタルオフィスも多く、費用を押さえたい一人社長や小規模事業者にはおすすめのオフィス形態です。
シェアオフィス
レンタルオフィスの一形態であるシェアオフィスは、個人や企業で共有するタイプのオフィスのことです。個室がある専有部に加えて、会議室、ラウンジ、フォンブースといった共有スペースが充実しているという特徴があります。コワーキングスペースと似ていますが、こちらはビジネスにより特化した内装・レイアウトとなっています。異業種や異なる業界の方と出会う機会が多いので、新たな取引につながるなど、ビジネスに活かせるチャンスもあるでしょう。
コワーキングスペース
シェアオフィスと機能は似ていますが、フリーアドレス制のオープンスペースを複数の人で共有するイメージです。シェアオフィスと異なり、コワーキングスペースは専有部が少ないため、企業よりも、異業種と交流したい個人事業主が向いているかもしれません。会議室や集中ブースの数に限りがあるため、機能面や近年需要が高まっているフォンブースの個数などはあらかじめ確認しておくとよいでしょう。
バーチャルオフィス
バーチャルオフィスは、物理的には存在しない仮想オフィスのことです。実際に入居するわけではないので、作業スペースは別に用意する必要があります。電話番号と住所が借りられるので、郵便物の受け取りや銀行口座の開設などが可能です。また、通常のオフィス、シェアオフィスなどを借りるのに比べ、バーチャルオフィスの相場は月5000~1万円程度なため、毎月の家賃コストをかなり削減できます。
スタートアップに「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」が人気の理由
今まで「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」の両オフィスの違いや、ほかのオフィス形態もみてきました。昨今は、その中でも「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」が、スタートアップを中心に人気が高くなっています。
人気の理由は、ずばり移転費用の削減と入退去時のスピードの速さです。内装や什器も揃っているため、内装工事や新たな什器の購入といった初期費用を大幅に抑えることができます。
また、内装工事がないためオフィス移転を考えてからすぐに入居することが可能です。必要な設備が整っておりすぐにでも業務がスタートできる、スピード感を大事にするスタートアップのニーズとマッチしており、そのあたりも人気の理由になっているようです。
特に「セットアップオフィス」は、退去時も原状回復工事が最低限で済み、引き渡しもスムーズです。退去時のコストが削減できることもスタートアップにとって魅力に映るのでしょう。
スタートアップ企業におけるオフィス選びの重要なポイント
そんなスタートアップに人気の「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」ですが、選ぶ時にはポイントがあります。それは、「自社の成長に合わせたスペース・機能性を併せ持つオフィスを選ぶこと」です。現在の従業員がストレスなく働けるスペースの確保はもちろん、今後採用計画がある企業であれば、それを見越した広さがあるオフィスを選ぶ必要があるでしょう。
居抜きオフィス・セットアップオフィスの探し方
最後は、「居抜きオフィス」、「セットアップオフィス」の探し方について解説します。
物件サイトで検索してみる
通常オフィスと同様に物件サイトで検索することは効果的です。「居抜きオフィス」、「セットアップオフィス」であれば、それぞれのオフィスに特化したサイトもあるので、それらを活用するのがいいでしょう。
オフィス移転のプロに相談してみる
物件サイトを活用して自身で調べることも重要ですが、物件の数が多すぎたり、自社にどの物件が合っているのかが分からなかったりする場合があります。そうした時は、オフィス移転に詳しいプロに相談するのがおすすめです。
おすすめのセットアップオフィス
「セットアップオフィス」は、オシャレな内装や使いやすいレイアウトが多く、従業員のモチベーションアップや採用効果も期待できるとして、スタートアップから特に人気を博しています。そんな「セットアップオフィス」のおすすめ物件をいくつか紹介しますので、オフィス移転の担当者や経営者の方は参考になさってください。
まとめ|セットアップオフィスの取り扱いNo.1のサンフロンティア不動産にご相談ください
今回の記事では「居抜きオフィス」と「セットアップオフィス」のメリットである、移転費用のコスト削減、移転スピードの速さを中心に、ほかのオフィス形態についても解説しました。さらに、スタートアップに人気の理由や物件の探し方も説明しました。
もし、「居抜きオフィス」や「セットアップオフィス」を検討中の総務担当者や経営者の方がいましたら、是非、「セットアップオフィス」の供給No.1である、サンフロンティア不動産までご相談ください。


記事監修者
菅野 勇人
宅地建物取引士
セットアップオフィスから一般的なオフィスまで、多種多様なオフィスビルの魅力や特徴を熟知したオフィス物件マニア。
スタートアップ企業の移転支援経験が多く、そこで得た知見を活かし、お客様の理想のオフィス探しを全力でサポートいたします。