居抜きオフィスとは? スタートアップ企業におすすめしたいメリットや移転時の注意点
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昨今、スタートアップを中心に人気を博しているのが「居抜きオフィス」です。「居抜き」というと、店舗をイメージする方が多いかもしれませんが、オフィスの選択肢の一つとしても注目を浴びています。
今回の記事では、そんな「居抜きオフィス」のメリット・デメリットを分かりやすく解説します。スタートアップだからこそ必要な、「居抜きオフィス」を選ぶ際のポイントも詳しく説明していますので、オフィス移転を検討中の方は参考にしてみてください。
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移転コストを抑えられる!居抜きオフィスとは
「居抜きオフィス」とは、前テナントで施された内装やオフィス家具、設備、備品を引き継いで使用できるオフィスのことです。通常のオフィスへ入居する際の内装工事やオフィス家具の購入が必要ないので、移転コストを削減できるなどのメリットがあり、近年人気を得ています。
居抜きオフィスに注目が集まるワケとは
注目が集まる理由は色々あるのですが、例えば「オフィス回帰の流れ」、「内装工事費の高騰」などが挙げられるでしょう。「オフィス回帰の流れ」で言えば、コロナ禍で働き方をリモートワークに移行したことで、オフィスを縮小していた企業が多かったと思います。ただ、コロナが収束するにつれてオフィスに出社する人が増え、一転してオフィスが手狭に感じるようになった企業も増えたことでしょう。そこで、移転コストを抑えつつ、より広いオフィスに入居できる「居抜きオフィス」に注目が集まったのです。
また、「内装工事費の高騰」も大きな理由でしょう。国交省の建設工事費デフレーターによると、数値は右肩上がり。2015年を基準(100)にした場合、2023年は約23%上昇していることが分かります。高騰した理由には、少子高齢化による職人不足、電気料金の値上がり、円安による輸入材の単価上昇などが挙げられます。そのため、内装工事費を削減できる「居抜きオフィス」に関心が高まったと思われます。
参考サイト:建設工事費デフレーター
移転コストが削減できるためスタートアップを中心に人気
前述した通り「居抜きオフィス」には、内装工事費やオフィス家具の購入費用を節約できるというメリットがあります。特に、初期費用を抑えたいスタートアップ企業にとって人気の選択肢です。
前テナントが使用していた内装やレイアウト、オフィス家具、備品、設備などをそのまま活用できるため、内装費や家具の購入費を大幅に削減できます。
短期間での移転が可能
内装やオフィス家具を引き継げるということは、工事や什器の購入にかかる時間を節約できるということ。通常のオフィスを借りて、内装工事を行う場合は、自社で働きやすいレイアウトを考え、内装業者に図面作成を依頼・修正、見積もり、発注、工事着工という流れで、施工完了までは4ヶ月ほどかかることもあります。そう考えると、「居抜きオフィス」に入居すれば、全体の移転スケジュールはかなり短縮できるでしょう。また、必要な内装・什器が揃っているため、移転後はすぐに業務をスタートできます。そうした移転のスピード感に惹かれるスタートアップ経営者も多いようです。
有名企業のオフィスを引き継げる
「居抜きオフィス」だからこそ、有名企業が使っていたオフィスの内装を引き継げる可能性があります。莫大なコストをかけて作りあげた、オシャレで使い勝手がいいオフィスをそのまま使えるため、売りに出されると非常に人気です。すぐに契約が決まってしまうことも多いため、少しでも気になる物件がでたら早めのアプローチが重要です。
居抜きオフィスのデメリット
ここからは「居抜きオフィス」のデメリットをお伝えします。
引き継いだ設備が使えない可能性がある
内装やオフィス家具を引き継げるということは、言い換えれば、劣化して使えない設備なども引き継ぐ必要があるということです。「居抜きオフィス」の設備は、オフィスの形態上、中古の什器が多くなるため、故障や老朽化が進んでいないか、残置物の状態は重々確認する必要があります。もし、劣化して使えないものが多い場合は、処分費や買い替えが必要になり、費用がかさんでしまいます。状態をよく確認するようにしましょう。
また、残された設備の所有者がリース会社であった場合は、前の借主と「造作譲渡契約」を結べず、リース契約を継続するか返却しなければなりません。これはトラブルに発展するケースも多いため、所有権の確認も怠らないようにしましょう。
内装工事が必要な場合は費用がかさむ
オフィスが使いづらい、内装の劣化が激しい場合は、内装工事が必要になるケースもあります。せっかく工事費が削減できると思って「居抜きオフィス」を借りたのに、費用が発生してしまうのは避けたいところです。「居抜きオフィス」を選ぶ際は、デザイン性だけに気を取られず、オフィスの劣化具合も十分検討してから借りるようにしましょう。
希望に合ったデザインが見つからない
なかなかイメージに合ったデザインのオフィスが見つからない場合があります。「居抜きオフィス」は通常の賃貸オフィスに比べ、物件が少なく、「汎用性がない、機能性がない、個性的なものが多い」という特徴もあります。
人気がある「居抜き物件」はすぐに埋まってしまうため、常日頃から情報収集を怠らず、良い物件がでたらすぐにアプローチするようにしましょう。
退去時は原状回復工事が必要になるケースも
「居抜きオフィス」は、前テナントから原状回復義務が引き継がれます。退去する際に「居抜きオフィス」として、新たな借主が見つかればいいのですが、もし見つからなかった場合は、入居者が原状回復工事を行う必要があります。そうした場合に、費用を抑えるためにも設置物は必要最低限にしておくのが有効です。
移転後にレイアウトに不便さを感じるかも
どうしても前テナントが使用していたオフィスレイアウトのため、自社では使いづらい可能性があります。オフィス環境によっては、移転前のオフィスよりも業務効率が悪化する場合もあるので、くれぐれも新しいオフィスは慎重に選びましょう。
スタートアップ企業における「居抜きオフィス」選びの重要ポイント
オフィス移転にかかる費用や期間を削減・短縮できるとして、スタートアップ/ベンチャーから人気がある「居抜きオフィス」。ここからは、そんなスタートアップがオフィスを探す際のポイントについてご紹介します。
デザインが納得できるものを選ぶ
成長中のスタートアップにとって、オフィスはまさに自社の顔と呼べる存在。自社のコンセプトに合ったデザインを選ぶことはもちろん、採用の観点からも検討する必要があります。デザイン性のあるオフィスであれば求職者にとって魅力的に映りますし、従業員のモチベーションアップにもつながります。
もし、デザイン性が高くオシャレなオフィスを検討しているなら「セットアップオフィス」もおすすめです。「居抜き物件」と同じように内装とオフィス家具が最初から揃えられているオフィスですが、こちらは貸主が自らプロのデザイナーに依頼して作り上げたオフィス。最新の内装・オフィス家具などが揃えられているため、従業員の働きやすさはもちろん、求職者から見た“映え”も意識された労働環境を提供できることでしょう。
初期費用や退去費用などの金額をしっかりと確認
いくら内装工事費用が抑えられると言っても、移転する際は最低限の費用がかかります。室内の状況によっては、オフィス家具の買い替え、部分的な内装工事が必要ですし、退去時の原状回復工事の義務もあるので、移転・退去時にかかる合計金額を概算でもいいので算出しておくといいでしょう。
そのまま使えるオフィス家具などの残置物を見ておく
中古や劣化しすぎた残置物は、処分費用や買い替え費用が発生し、反対にコストがかさんでしまいます。本当に“使えるかどうか”を、什器・備品一つずつ、状態のチェックは怠らないようにしましょう。
居抜きオフィスの探し方
ここからは、「居抜きオフィス」の具体的な探し方を紹介します。
居抜きオフィスに強い物件サイトで検索してみる
移転先のオフィスを探す際、物件サイトを利用するのは効果的ですが、注意すべきポイントがあります。それは、移転したいオフィス形態をイメージすることです。「通常オフィス」、「居抜きオフィス」、「セットアップオフィス」など、不動産会社それぞれで強みが異なるため、「居抜きオフィス」を探す時は、「居抜きオフィス」を多く取り扱っている不動産が運営している物件サイトで探すのがよいでしょう。
おすすめサイト:スタートアップの成長に寄り添うオフィス探しなら|Officci
オフィス移転のプロに相談
自社だけで探すのは手間や時間がかかりますし、専門家ではないので、どの点に着目してオフィスを探せばいいのか、分からなくなる場合も出てくると思います。その場合は、オフィス移転のプロに相談するのが効果的です。
また、「居抜きオフィス」で探していても、移転前の課題を整理した際に別のオフィス形態が合っている場合があります。コストはかかりますが、通常のオフィスを借りて自分で内装を施すのもいいですし、「セットアップオフィス」のような最新のオフィストレンドが意識された、内装・レイアウト・デザインを持つオフィスを選んでもいいでしょう。
スタートアップ企業におすすめのオフィス
ここで、サンフロンティア不動産が取り扱う、スタートアップにおすすめのオフィスをいくつか紹介します。参考になさってください。
まとめ|スタートアップのオフィス移転でお困りならサンフロンティア不動産にご相談ください
今回の記事では「居抜きオフィス」のメリット・デメリットを紹介しました。費用を削減でき、スピード感ある移転が可能なため、スタートアップを中心に人気がある理由がおわかりいただけたかと思います。
「居抜きオフィス」はもちろん、記事でも少し紹介した「セットアップオフィス」も含めて、オフィス移転を検討中の総務担当者や経営者の方がいましたら、是非、オフィス移転のプロである、サンフロンティア不動産にご相談ください。
記事監修者
菅野 勇人
宅地建物取引士
セットアップオフィスから一般的なオフィスまで、多種多様なオフィスビルの魅力や特徴を熟知したオフィス物件マニア。
スタートアップ企業の移転支援経験が多く、そこで得た知見を活かし、お客様の理想のオフィス探しを全力でサポートいたします。