セットアップオフィスとは? 通常オフィスとの違いや魅力を徹底解説
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「セットアップオフィス」という言葉をご存じでしょうか。内装・レイアウトが整えられているオフィスのことで、近年スタートアップを中心に人気を集めています。
今回の記事では、そんな「セットアップオフィス」の四つのメリットや選ぶ際のポイント、探し方まで詳しく解説します。実際の移転成功事例も紹介していますので、オフィス移転を検討中の方は参考にしてください。
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セットアップオフィスとは? 通常オフィスとの違いを解説
「セットアップオフィス」とは、内装やオフィス家具があらかじめ設置してあるオフィスのことです。通常オフィスは室内が空の状態で貸し出され、内装構築に費用・時間が掛かるのに対し、内装工事費用などの初期費用が抑えられ、移転期間も短縮できます。
似たようなオフィス形態に、前テナントの内装や什器を引き継げる「居抜きオフィス」がありますが、貸主が自ら内装工事を施す「セットアップオフィス」とは特徴・メリットが異なります。例えば、「居抜きオフィス」では内装や什器が劣化してしまい使えない可能性がある一方、「セットアップオフィス」は最新の内装・家具が揃えられているなどの違いがあります。
詳しいメリットについては以下で説明します。
セットアップオフィスの四つのメリット
ここからは「セットアップオフィス」に入居することで得られるメリットについて、詳しく解説していきます。
入退去時にかかる時間・手間・費用が削減できる
「セットアップオフィス」は、すでに内装・レイアウトが整えられており、物件によっては最新のオフィス家具も備えられています。そのため、通常のオフィス移転に必要な内装工事費用を削減できます。また、工事が不要なため、内装業者への発注フローがなくなり、移転にかかる手間や時間も大幅に減らすことができます。
オフィス環境が整っているため、すぐに業務が開始できる
内装・レイアウトが完了してあり、オフィス家具も設置されている物件であれば、移転後すぐに業務を開始することができます。「セットアップオフィス」では、内装工事やオフィス家具の購入がほとんど不要なため、移転の検討から、引越し、業務開始までスピーディーに実現できます。このスピード感が評価され、スタートアップに人気のオフィス形態となっています。
デザイン性・機能性に優れるオフィスが多く、従業員のウェルビーイング向上に寄与
「セットアップオフィス」は、貸主が自らプロのデザイナーなどに依頼し、内装工事・レイアウト設計を行っています。最新のオフィストレンドを意識した内装・レイアウトが施されていることが多く、デザイン性・機能性に優れたオフィスが多いのが特徴です。オフィス環境は、従業員のモチベーションに直結する要素であるため、オシャレで使い勝手が良いオフィスで働くことは、作業効率やウェルビーイングの向上にもつながることでしょう。
採用活動にも効果的
デザイン性や機能性が優れているオフィスは、従業員だけでなく求職者にも良い影響を与えます。働きやすいオフィス環境であることで、ポジティブなイメージを抱かせ、採用力の強化につながるのです。
株式会社アーバンプランが実施した、就活生に対するアンケート調査をみても、8割以上の就活生が企業を選ぶ際に、オフィス環境を重視することが分かっています。人材不足が叫ばれて久しい現在、オフィス環境は人材採用の重要要素の一つとなっています。
また、初期費用を抑えながら、結果的に自社イメージがアップできるのも「セットアップオフィス」のメリットの一つです。
今セットアップオフィスがアツい! 人気のワケとは
数々のメリットがある「セットアップオフィス」。どうして近年、人気が高まっているのでしょうか。その理由を紐解いていきます。
コロナ収束後、オフィス回帰の流れが顕著に
コロナが収束に向かうにつれ、フルリモートの働き方から、リモートと出社を組み合わせたハイブリッドワークや週5日出社などに切り替える企業が増えています。Amazonが「週5日出社」に戻したことは記憶に新しいことでしょう。
しかし、コロナ禍でオフィス面積を縮小した企業も多く、出社する従業員を十分に受け入れられない状況が生まれています。オフィス移転を検討する企業が増える中で、「セットアップオフィス」は初期費用の削減、移転期間の短縮などの特徴があったため、人気を博しました。
また、コロナにより“働き方”が変化していく中で、最初から最新のワークプレイスが用意されている「セットアップオフィス」のニーズは高まっています。
成長中のスタートアップに人気
「セットアップオフィス」とスタートアップは非常に相性が良いと言われています。成長フェーズにもよりますが、まだまだ資金面に課題が多いスタートアップ。内装工事が不要なことや、オフィス家具が備え付けられていることは、移転にかかる初期費用の削減や移転期間の短縮につながり、それらが魅力的に映るようです。また、業務をすぐにスタートできる環境が整っていることは、スピードが重要なスタートアップにとって重要な要素となっています。
設立したばかりで知名度が低いスタートアップであれば、オシャレで働きやすい環境というのは人材採用の面でも効果を発揮するでしょう。
セットアップオフィスを選ぶ時の重要ポイント
メリットの多い「セットアップオフィス」ですが、選ぶ際にいくつかポイントがあります。
賃料が高くなるケースが多いため、納得のいくデザイン・レイアウトを持つオフィスを選ぶ
「セットアップオフィス」は、貸主が自ら内装工事を負担している影響で、賃料は平均相場よりも高くなることが多いです。初期費用は抑えられますが、賃料の増加分を考え、納得のいくデザイン・レイアウトのオフィスを選ぶことが重要です。長期入居を視野に入れている企業にとってはデメリットとなることもあるかもしれませんが、2~3年のトータルコストで見ると費用は抑えられるため、成長速度が早く移転回数も多いスタートアップの場合、得をするケースが多いでしょう。
今後の成長も考えた広さをもつオフィスを選ぶ
特にスタートアップの場合、自社の事業計画・成長フェーズに合った「セットアップオフィス」を選ぶことが重要です。現在の従業員がストレスなく働ける執務席、スペースの確保はもちろん、直近で採用を予定している場合は、余裕を持たせたスペースの確保も必要です。
必要な機能は備えているか
従業員が働きやすい環境を実現できるオフィスレイアウトであることも重要なポイントです。「そんなことは分かっている」とお感じの読者も多いと思いますが、内覧した際に、ついついオシャレな内装に目を奪われてしまうこともあるでしょう。
そのため、実際の業務に必要な機能が備えられているかをきちんと確認する必要があります。執務席、会議室だけでなく、オープンスペースにも目を凝らし、フォンブース、ファミレスブース、カフェスペース、個室・半個室ブース、集中ブースなどそれぞれの機能の有無や個数も把握します。実際にそこで働いているイメージを想像し、過不足ないオフィスかどうか、冷静な目で見極めましょう。
セキュリティ環境は万全か
セキュリティ環境もオフィス選びの重要なポイントの一つです。隣接する別の企業のオフィスに配慮した遮音性があるか、入退室の管理もきちんと行われているかも把握する必要があります。
入退室管理システムとして、スマートロック型が多く導入されていますが、アプリ、ICカード、カメラ連動型、顔認証対応など、製品ごとにさまざまな機能があります。自社に合った入退室管理システムを導入しているかどうかも確認しておきましょう。
セットアップオフィスの探し方
せっかく「セットアップオフィス」に興味を持っても、通常の賃貸オフィスと異なり探し方がよく分からない方もいることでしょう。ここからは、効果的な「セットアップオフィス」の探し方について解説します。
セットアップオフィスに強い物件サイトで検索
インターネットでオフィスを探す際は、通常の物件サイトに加え、セットアップオフィスに強みを持つ物件サイトの利用をおすすめします。「オフィッチ」は、「セットアップオフィス」の物件情報を多数掲載しているので、ぜひ活用してみてください。
おすすめサイト:スタートアップの成長に寄り添うオフィス探しなら|Officci
オフィス移転のプロに相談
物件サイトだけでは分からない場合は、オフィス移転に強い不動産会社に相談してみましょう。物件探しだけでなく、移転する前に見落としがちなポイントなどもアドバイスしてもくれることが多いです。現在のオフィス課題をまとめ、オフィス移転のプロに相談することで、自社に合った「セットアップオフィス」を見つけられる確率はぐっと上がります。是非、オフィス移転のプロへの相談も検討してみてください。
セットアップオフィス移転 成功事例
ここでは、セットアップオフィスへの移転が成功した事例をご紹介します。実際の企業の体験を通じて、スタートアップ・ベンチャー企業の皆様がスムーズにオフィス移転を進めるための参考にしていただければと思います。
会議室にこだわったセットアップオフィスへの移転事例
一つめの事例をご紹介します。渋谷エリアにある、従業員数40名程度のSaaS系企業の移転事例です。こちらの企業では、シェアオフィスからセットアップオフィスへの移転を行いました。
移転のきっかけとなったのは、来客や打ち合わせの増加です。事業の拡大にあわせて
来客や社内コミュニケーションの機会が増えていたのですが、利用していたシェアオフィスでは共用会議室や共用フォンブースを活用するため、予約の取りづらさなどに不便さを感じていました。しかし、シェアオフィスならではのおしゃれな内装や設備などのグレードを手放したくないという要望がありました。
そこで、シェアオフィスのメリットを維持しながら、会議室やテレカンブース付きのオフィスを探していました。通常のオフィスであれば費用が大きくかかる要望なのですが、近隣エリアでご要望にマッチするセットアップオフィスをご紹介し、即決いただきました。専有部となった会議室やテレカンブースのおかげで、予約が取りづらいという不便も解消され、内装もおしゃれで社内や取引先からの反応も非常に良好とのことです。
通常のオフィスでは予算に合わない条件でも、セットアップオフィスであれば、ご要望にぴったりのオフィスが見つかる可能性があります。
移転にかかる工数を最小限にしたセットアップオフィスへの移転事例
二つめの事例をご紹介します。神保町エリアにある、従業員40名程度のプラットフォームサービス系企業の移転事例です。こちらの企業でも、シェアオフィスからセットアップオフィスへの移転を行いました。
移転のきっかけとなったのは、従業員数の増加です。事業が順調に成長し、従業員も増える中、現在利用しているシェアオフィスでは座席数の拡張が限界になってしまいました。快適な業務環境を提供するため、スペースの拡張が急務となっていました。
しかし、事業に専念したいという強い意向から、移転に伴う手間やコストをできるだけ抑えたいと考えていました。そこで、移転にかかる工数が少ない、家具付きでWi-Fi完備、さらに敷金がゼロのフルセットアップオフィスをご紹介いたしました。
希望にぴったりの物件をご紹介することができたことで、手元資金を温存しつつも業務への影響を最小限に抑えることができました。スムーズな移転だったことで、新しい環境での体制もすぐに整えることができ、チーム全体の士気も向上したと聞いております。
オフィス移転が事業にマイナスの影響を及ぼしてしまっては本末転倒です。そのため、オフィスの移転時には業務への影響を考慮しながら、慎重にオフィスを選定する必要があります。
スタートアップ企業におすすめのセットアップオフィス
ここで、サンフロンティア不動産が取り扱う、スタートアップにおすすめのオフィスをいくつか紹介します。参考になさってください。
まとめ|スタートアップのオフィス移転でお困りならサンフロンティア不動産にご相談ください
今回の記事では「セットアップオフィス」のメリットと選ぶ際のポイントなどを紹介しました。内装工事が完了し、物件によってはオフィス家具も設置済みのため、費用の削減や移転後すぐに業務をスタートできるなど、多くの魅力があることをご理解いただけたと思います。
移転費用の削減やスピーディーな移転が可能なため、スタートアップを中心に人気の高い「セットアップオフィス」。もし、総務担当者や経営者の方でオフィス移転を検討中であれば、是非「セットアップオフィス」供給数のサンフロンティア不動産にご相談ください。
記事監修者
菅野 勇人
宅地建物取引士
セットアップオフィスから一般的なオフィスまで、多種多様なオフィスビルの魅力や特徴を熟知したオフィス物件マニア。
スタートアップ企業の移転支援経験が多く、そこで得た知見を活かし、お客様の理想のオフィス探しを全力でサポートいたします。