スケルトン天井オフィスの魅力とは?メリット・デメリット徹底比較

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天井の配管などが露出している「スケルトン天井」は、昨今ニーズが高まっているオフィスデザインの一つです。スケルトン天井はデザイン性が高いだけでなく、照明や空調などの配線作業や配管工事を行いやすいなどの利点によって、メンテナンスにかかるコスト削減効果も期待できます。本記事では、オフィス移転に際し、スケルトン天井を検討している方に向け、スケルトン天井のメリット・デメリットについて解説します。
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スケルトン天井とは
スケルトン天井とは、配管や配線、梁などが見える状態になっているデザインの天井のことです。通常、天井はこれらを隠すために石膏ボードを貼り、さらにクロスや塗装などを施しています。これら天井を覆う材料を取り払ったものがスケルトン天井です。
スケルトン天井のニーズが高まっている背景・理由
近年、スケルトン天井を求める企業が多くあります。その理由として、打ちっぱなしのコンクリートが露出するさまがモダンでおしゃれなこと、天井が高くなること、メンテナンスにかかるコストの削減につながることなどが挙げられます。
スケルトン天井は、デザイン性の高さを求める企業や、天井が高くなることによる開放感を重視している企業に選ばれているようです。
天井が低いオフィスでは、従業員に圧迫感や閉塞感を与えてしまうことがあります。働きやすい環境を構築する要素の一つとしても、スケルトン天井へのニーズが高まっていると考えられます。
スケルトン天井にするメリット

多くの企業が求めているスケルトン天井には、主に次のようなメリットがあります。
開放感を感じるオフィス空間を作れる
天井をスケルトンにすると、通常の天井よりも高さがでます。一般的な天井の場合、床から天井までの高さは、2.4~2.8メートルほどです。スケルトン天井の場合、3メートルを超えるケースも多くあります。
30センチほどでも天井が高くなれば、空間が広く見え、より開放的なオフィスを演出できます。天井が低く、狭い印象のあるオフィスでは圧迫感や閉塞感を抱きやすく、働いていても窮屈さを感じてしまうでしょう。
スケルトン天井で天井を高くすることは、働きやすい環境づくりにも寄与します。
モダンなデザイン設計が可能
白のパネルや壁紙でまとまった印象の一般的な天井のあるオフィスと異なり、スケルトン天井では打ちっぱなしのコンクリートや梁・柱など場所によって異なる色や質感、デザインが生じます。
おしゃれなカフェやスタジオのような印象も与えられるスケルトン天井なら、そこで働く人々の創造性を刺激するような、モダンなデザイン設計が可能です。
長期的なメンテナンスコストの削減
通常、オフィスの天井の中には配線や配管が張り巡らされています。これらをメンテナンスする際には、一度天井材をはがさなければなりません。
スケルトン天井では、すでに配管がむき出しになった状態になっているため、メンテナンスの際に天井をはがして元に戻すという作業がなくなります。
天井材をはがしたり張り直したりする作業が発生しない分、通常の天井のオフィスよりも手軽かつ低コストでのメンテナンスが可能です。長期的な目線で考えると、コスト削減効果は大きなものになるでしょう。
柔軟なレイアウトが可能
スケルトン天井の場合、配線や配管がむき出しのため、それらのレイアウトを比較的柔軟に変更できます。一般的な天井では、天井裏の梁の高さなどを考慮しながら配線や配管をレイアウトしなければならず、想定通りの変更が叶わないケースも考えられます。
スケルトン天井のデメリット
このようなメリットがある一方で、スケルトン天井にはデメリットもいくつかあります。詳しく見ていきましょう。
天井ボードの解体工事や原状回復などの費用がかか
スケルトン天井をつくるための、天井の解体工事や退去時の原状回復工事などに費用がかかる点はデメリットです。通常のオフィスは天井のある状態で賃貸借契約を締結するため、スケルトン天井にするためには、契約後に天井の撤去を行い、退去時には再度天井を張りなおさなければならず、「通常の天井であれば発生しなかったコスト」がかかることは把握しておきましょう。
その分、原状回復工事にかかる費用は高額になる点にも注意が必要です。
空調の効率が下がる
スケルトン天井にすると、天井が高くなるため空間が広くなり、天井のあるオフィスよりも空調効率がどうしても下がってしまいます。
そのため、冷暖房にかかるコストが高くなる可能性があります。大きな窓のあるオフィスの場合は夏の冷房が、日当たりの悪いオフィスでは冬の暖房でさらにコストがかさんでしまうかもしれない点も把握しておきたいところです。
音の反響が強くなる
天井板には、吸音や遮音の効果を得られるものがあります。一般的なオフィスでは、このような天井材を用いて音の反響を抑えています。
井材を剥がしてしまうスケルトン天井では、天井材の効果がなくなるため音の反響が強くなりがちです。スケルトン天井でも音の反響を抑えたい場合には、吸音パネルやカーペットなどを使用する方法があります。ただし、これらも追加コストになる点に注意しましょう。
スケルトン天井にする際の注意点
これからスケルトン天井にしたい企業は、次のような点にも気を付けましょう。
建築基準法や消防法を遵守する
建築基準法や消防法は、オフィスの安全にかかわる、守らなければならない法律です。違反をすると罰則を科せられる可能性もあるため、必ず法令を遵守したオフィスを作る必要があります。
これら法令についての詳細の把握が難しい場合は、工事業者や法律の専門家に相談するなど、法令に沿った状態でスケルトン天井への工事を完了できるよう対策を講じましょう。
特に注意したいのが配線や配管、スプリンクラーの位置などです。また、天井高が変わったことにより、非常照明などの位置の変更が必要なケースがあります。
スケルトン天井にできるかどうか、コンクリートの状態を確認する
建物自体のコンクリートの状態が悪い場合、スケルトン天井にすることでコンクリートの落下や水漏れなどが生じる可能性があります。スケルトン天井を実施する前に、専門家にコンクリートの強度や湿気の状態などをチェックしてもらい、安全性が保たれるか確認しましょう。
その結果、修繕が必要な場合には天井材を剥がす以外にも修繕費用が発生します。
ビル管理会社と協議する
スケルトン天井にする場合、事前にビル管理会社と協議を行う必要があります。協議の結果、スケルトン天井に対する許可が下りないこともあるため注意が必要です。これには、ほかのテナントへの影響や内装工事規定で、そもそもスケルトン天井が禁止されているなどの理由が考えられます。
契約を締結してからスケルトン天井にできなかった、という事態を防ぐためにも、事前協議を必ず行いましょう。
社員の意見も聞く
スケルトン天井にする前に、オフィスで業務を行う社員の意見を聞いておくことをおすすめします。業種や業務内容によっては、スケルトン天井が適さないこともあるためです。
例えば、落ち着いた環境や集中できる環境が必要な場合、スケルトン天井では開放感がありすぎることで業務に集中できなくなってしまう可能性があります。
働きやすいオフィスの特徴や理想のオフィス像などについて意見を聞き、スケルトン天井が社員の意見に適合するデザインかをチェックしましょう。
スケルトン天井の導入費用・目安
前述したとおり、スケルトン天井は通常の内装工事にプラスして費用が発生します。導入時には、具体的にどの程度の費用がかかるのでしょうか。
長期的なメンテナンスコストは安くなる一方、導入費用は割高
長期的な目で見ると、メンテナンス費用は抑えられるものの、導入時の工事費用はどうしても割高になってしまいます。スケルトン天井にかかる工事費用は、坪あたり5万円が目安です。ただし、ビルによってかなり幅があり、ビルの条件によっては坪あたり30万円程かかることもあります。とはいえ、工事区分やビルの条件などによって、これよりも大きく費用がかかるケースもあります。
前述した通り、法令遵守のための追加工事やコンクリートの状態を鑑みての補修工事を行う場合も、目安よりも大きく費用が発生します。
導入費用を抑えて、スケルトン天井にしたいならセットアップオフィスがおすすめ
通常、オフィスにスケルトン天井を採用する場合、大きな費用がかかってしまうものです。このような費用を抑えながらスケルトン天井のオフィスを利用したい企業は、セットアップオフィスを検討してみましょう。
セットアップオフィスとは、内装やインテリアがすでに整えられた状態で貸し出されているオフィスのことです。セットアップオフィスではトレンドを取り入れたおしゃれな物件が多くあり、中にはスケルトン天井のものもあります。
すでにスケルトン天井となっているセットアップオフィスなら、入居時の天井工事や退去時の原状回復工事を行う必要がありません。おしゃれで近代的なスケルトン天井のオフィスにしたい、けれども費用が不安という企業にもおすすめです。
おすすめ物件のご紹介:スケルトン天井の居抜き・セットアップオフィス一覧はこちら
まとめ|セットアップオフィス供給数が豊富なサンフロンティア不動産に是非ご相談ください
モダンな空間をつくれるスケルトン天井は、近年人気デザインの1つです。スケルトン天井には開放感やメンテナンスコストの削減などのメリットがある一方で、導入コストが高く、法令遵守や安全性の確保など、注意すべき点がいくつかあります。
なるべく費用を抑えながら、これら注意点を加味したスケルトン天井のオフィスを手に入れたい企業様は、サンフロンティア不動産に是非ご相談ください。貴社のニーズにマッチするスケルトン天井のセットアップオフィスをご提案します。


記事監修者
菅野 勇人
宅地建物取引士
セットアップオフィスから一般的なオフィスまで、多種多様なオフィスビルの魅力や特徴を熟知したオフィス物件マニア。
スタートアップ企業の移転支援経験が多く、そこで得た知見を活かし、お客様の理想のオフィス探しを全力でサポートいたします。